結婚より大変だったのが、離婚だった。
後から分かったことだけど、
元旦那(ここでは元さんと書く)は同級生と不倫していた。
バレる前に、
私に何かしらの落ち度があるとして
調停を申し立て、いなくなった。
決定的だったのは、
12年前のゴールデンウィークに入る朝。
会話はほとんどなくなっていた。
甥っ子の誕生会をすることになっていたので
そのことを伝えると、
「今日はテニスの飲み会だし、お前はいつそう。急にそんなこと言うな」と
怒鳴られた。
(テニスはもうやっていなかったのに。)
そして、こう言われた。
「もう離婚や!」
私は一瞬、驚いた。
でも不思議と泣かなかった。
「分かった。子ども3人は私が引き取る」
「あ~いいよ」
その瞬間、心の奥で小さな声がした。
やった。
怖さよりも、安堵だった。
その日の夜、
車で6時間かかる友達の家へ向かった。
朝に「離婚する」と聞いていた長女は、
動揺して泣いていた。
特に長女は、
カッとなると手や足を出されていた。
私はそのたびに止めに入った。
20歳を越えた今も、
蹴られた出来事は覚えていると言う。
母として、それが一番つらかった。
友達の家に2泊し、
帰り道でもう1泊。
子どもたちを遊ばせながら、
私は考えていた。
「あんな元さんだけど、
子どもたちのために、もう少し頑張らないと」
まだどこかで、
“家族”を守ろうとしていた。
家に帰ると、
ゲーム、漫画、洋服がなくなっていた。
ああ、出ていったんだ。
すぐ分かった。
電話をすると、
友達とそのお母さんは笑い飛ばしてくれた。
「それはしょうがないね」
その言葉に、
どれだけ救われたか分からない。
それまで鬱気味だった私の心が、
少しだけ軽くなった。
でも──
あの日、私は終わったと思った。
本当は、
あの日から始まっていた。
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